すまいについて

3.11以降、巨大すぎて誰も制御できない社会システムに依存する現代社会の危うさが露呈している。便利なことこの上ないが、大事なことには目をつぶり、なんでも他人まかせでお金で済ませ、将来世代に難題を丸投げした上に成り立つ、現在の暮らしである。身の程を知り、身のまわりに潜む可能性をしっかり見つめ直すことで、多少なりとも、自分の目が行き届く範囲で自立する充実感や、生きるということ自体の喜びを見いだせるような暮らしへの転換が必要ではないだろうか。そのような暮らしを模索するうえで福島という土地は、原発被災地という象徴的意味合いも含め、自然環境においても、社会環境においても、大変恵まれた地域であることは間違いない。身近な環境に耳を澄まし、その恵みを効果的に活用し楽しむことを通じて、福島ならではの魅力的なライフスタイルを提案していきたい。震災後、ロウソクで明かりを採ることが続いた夕食時「毎日が誕生日みたいだね!」と息子が表現した。そんな発想の転換が求められている。

関連記事

PAGE TOP